席主紹介

小川晃範 (43)

四日市市在住

日本将棋連盟 四日市支部会員 アマ4段 将棋普及指導員

四日市支部会員として将棋普及活動や各種大会出場をしています。

毎週日曜日、テレビでNHK杯を観るのがたのしみです。

皆さんで楽しみながら勉強していきましょう。

 

 

四日市将棋クラブ

 

★男女問わず年代も幅広く和気あいあいと楽しくできます。

★見学随時受け付けております。 

★初心者歓迎!

 

明るく楽しいクラブです。

初心者から腕に自信のある方までお気軽にお越しください。

 

初心者の方は見学自由ですので、少しでも興味のある方はぜひご連絡ください。

初めての方には将棋経験についてお聞きします。

経験の有無や将棋歴・おおよその実力を元に、近いレベルの人と対局を組ませてもらいます。

 

ぜひご家族そろって将棋をお楽しみください。

もちろん、お友達同士で遊びに来てもらっても大丈夫ですよ。

 

詰将棋

 

詰将棋の正解

 

 AbemaTV詰将棋三番勝負 第一局より

 

⬛2三角成

□同玉

⬛1四銀

 

 

まで3手詰め

 

 解説

持ち駒に銀があって、色んな王手ができるので初心者には

悩ましい詰将棋かもしれませんね。

⬛2三銀

がすぐに目につきますが、

□1一玉や□1三玉、□3一玉、どれも逃げられてしまいます。

ここで、発想の転換。

「開き王手」

開き王手とは、玉と飛び道具(飛角香)との間にある駒が動くことで、

飛び道具が玉に王手をかけること。

そして「開き王手」のひとつ、

「両王手」

言葉通り、玉と飛び道具(飛角香)との間にある駒が動くことで、

2つの駒で同時に王手をかけること。

この両王手をかけられると、2つの駒の王手を一度に

回避しなくてはならないので、いっぺんに劣勢に立たされる

ことが本将棋では多いです。

逆に言うと、開き王手や両王手がかけやすい盤面に持ち込める

ことができれば、勝ちやすいとも言えます。

さて、この詰将棋。

⬛1四角成だと、「開き王手」で飛車で王手がかけられます。

しかし!

開き王手、飛車での王手だけなので、⬛4二銀で飛車をとられてしまうと、

その後、⬛2三銀打ち、□3三玉で逃げられてしまいます。

⬛2三角成の「両王手」が発見できれば、簡単。

両王手ですので、飛車の王手と馬の王手を同時に回避するには

⬛2三角成を王様でとるしかありません。

下段に落ちれば、頭馬で詰みになります。

開き王手に是非、チャレンジしてみましょう。

 

15分以内に解けたら6級くらいでしょうか。(小川)

 

 

□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□⬛□

 

 

詰将棋の正解

 

昭和26年 紳棋会発行「象穢九十九谷集」第172番より

 

⬛6五金

□同飛

⬛4三銀

□同龍

⬛6六桂

□同飛

⬛7六角

□6五香成り

⬛6四金

□4五玉

⬛3五金

まで11手詰め

 

 解説

 

キの文字を中央に配した美しい詰将棋です(^o^)

初手 ⬛6五金に□同香成なら、⬛6三銀□4五玉⬛3七桂□同と で

と金を移動させてから、⬛3五金□同龍⬛同馬□5六玉⬛5七飛までで

詰んでしまいます。

こちらも11手詰めになりますねwww

ですから、初手⬛6五金は必須で、初手⬛4三銀□同龍の流れにしてしまうと、

⬛6五金に□同香成で困ってしまいます。

⬛4三銀~⬛6四金は頭に描けそうですが、

やはり、⬛6五金の初手と⬛6六桂捨てを見つけられかどうかがキモですね。

初手が分かれば、その後の変化をじっくりと考えれば、

正解まで辿り着けそうです。

15分以内に解けたら初段くらいでしょうか。(小川)

 

 

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羽生善治×茂木健一郎 特別対談授業「将棋は脳を育てる」

 

 

小学校1年生のときに将棋に出会った羽生少年は、
小学生名人となり、やがて最強のプロ棋士へと成長する。
この間、羽生善治の脳に何が起きたのだろうか。
将棋が脳に与えるすばらしい影響と、
将棋の魅力について、脳科学者の茂木健一郎が解き明かす。

 

将棋をすると人の気持ちが分かるようになる

 

[茂木]さっきのアンケートの中に、おもしろい回答がありました。

「将棋をやるようになって、人の気持ちが分かるようになった」そうです。

 

[羽生]将棋は、自分の都合だけを考えていても、うまくいきません。

相手の立場になって、どうしてそのような手を指したのかを考えます。

盤面を見るとき、自分の側からだけでなく、向こう側にも立って考えるんです。

 

[茂木]自分が指す手と同じぐらい相手のことも考える。

それが、人の心が分かるということにつながっていくわけですね。

 

将棋を覚えて決断力を身につけよう

 

[茂木]羽生さんは、「決断力」っていう本を出されていますが、

「決断力」というDSのソフトもあるんですよね。

 

 

[子どもたち]知ってる!持ってる!

 

[茂木]持ってる?みんなさ、DSとかって聞くとなんでそんなにパワフルになるの?

羽生さん、決断力も、将棋で身につきますか?

 

[羽生]決断するときに、一番必要なのは、他人のせいにしないで、自分で結果を受けとめるという覚悟です。

決断した結果が自分に回ってくるという体験を将棋で重ねることで、決断力が磨かれていきます。

 

[茂木]高学年の女の子、2月14日に誰にチョコレートをあげるかって、決断したか?

それも大事な決断。

それから、家族でごはんを食べに行ったとき、ハンバーグにするか、鳥の唐揚げにするかって決断してるだろう。

 

[子どもたち]決断できな~い!

 

[茂木]自分で選ばなければいけません!

その結果、どういうことになっても自分で引き受けなくちゃいけない。

 

[羽生]おいしくなくてもそれは自分の責任。次は違うのにしようと思う。

それが学習していくということです。

 

[茂木]お父さんやお母さんが選んでくれて、それがおいしくなかったとしても、あまり身にならないってことですね。

 

集中力が丸二日も持続するようになる

 

[茂木]みんなは、朝9時から夜の9時まで一つのことをやり続けて、

次の日もまた同じようにやったってことある?

名人戦っていう対局では、丸二日間ずっと将棋を指しています。

朝から夜まで、将棋のことを考え続けているんです。それって、すごい集中力ですね。

 

[羽生]いきなりは無理ですが、少しずつ伸ばしていけば、長く集中できるようになります。

私も最初はたいへんでしたが、だんだん慣れて、疲れなくなりましたし、集中できるようになりました。

マラソンと似ているのかも知れません。

 

[茂木]そうですね。まさに慣れなんですね。君たちさ、勉強に1時間、集中できる?

 

[子どもたち]できない。

 

[茂木]じゃあ、5時間集中できるか?

 

[子どもたち]無理。

 

[茂木]あのね、慣れれば君たちだって、8時間連続で勉強とか…

 

[子どもたち]やだぁ!

 

[茂木]やだぁとか言わない。できるようになるんだから!

みんなの脳の働きというのは、何か一つのことで力をつけたら、他のこと全部に応用できるようになります。

だから、羽生さんのように、将棋で集中力をつけた人は、他のことにも集中力が使えるんです。

読書でも、勉強でも。
脳の中の前頭葉というところに集中力をつける回路があるんだけど、羽生さんは体は細いのに、

回路はとても太くなっています。

集中力とともに、ねばり強さもありますよね。

対局のとき、何手ぐらい読んでいますか?

 

羽生さんは1000手先まで読んでいる

 

[羽生]一つの変化だけを読むなら、10手とか15手ですが、枝分かれするので、

100手とか1000手とかの単位になります。

 

 

[茂木]みんな、羽生さんが恐ろしいことを言っていますよ。

君たちが将棋を指すときって、自分がこう指す、すると相手がこう指す、

次に自分はこう指すって、何手先まで読める?

羽生さんは1000手ぐらい読んじゃうんだって!

 

[子どもたち]エーッ!

 

[茂木]羽生さん、どうしてそんなことができるんですか?

 

[羽生]時間をかければできますよ。

一つの手を考えるのに、1秒ぐらいはかかっているはずですから、それを30分とか、

1時間とか、長い時間をかけて読んでいきます。

 

[茂木]みんな、まるで珍しい生き物でも見ているような顔で、羽生さんを見ないように!

子どものときって何も考えないでなんとなく指す場合があると思うんですが、それはよくないのですか?

 

[羽生]一手指すということは、この手はやってはいけないとか、この手は可能性がないとか、

本当は瞬時にたくさんのことを考えているんです。

 

[茂木]直感ですね。

 

[羽生]ぱっと見て、これはいけるとか、これはだめだって思えるのも、すごく大事な要素です。

 

[茂木]ここに、将棋のプロ棋士161人へのアンケート結果があります。

「将棋を始めて変わったことは何ですか?」という問いに、95人のプロが

「一つのことを集中して考えられるようになった」と答えています。

みんなの中で、私は集中力がなくて困っているという人、手を挙げて。

 

[子どもたち]は~い。

 

[茂木]よ~し、君たち全員、明日から将棋をやるように!

アンケートで、次に多かったのが「勝負のきびしさを知ることができた」。

君たちも、負けたら悔しいでしょ。

 

[子どもたち]はい。

 

[羽生]いつかは、勝負のきびしさを知らなければいけないし、

自分の実力をちゃんと認識するというのも大事なことです。

 

[茂木]みんな、羽生さんは、とてもクールに見えるけど、じつはものすごく激しい、火山みたいな人なんだ。

さて、問題です。いよいよこの一手で自分が勝つと思ったとき、羽生さんにあることが起こります。

それは何でしょう。

 

[子どもたち]王手!

 

[茂木]王手が起こる?違うよ。正解は駒を持つ手が震える、です。

それぐらい将棋に集中し、勝敗にこだわる、ものすごく熱い人なんです。

どんな子どもにも勝ちたいという気持ちがあると思うんですが、

絶対に勝とうと思って努力するためには、何が必要なんでしょうか?

 

 

将棋を覚えれば算数の成績が上がる

 

[羽生]算数の成績が上がりました。

 算数を解く方法と、詰将棋の解き方って、ほとんど同じなんです。

 将棋をやれば算数も速く解けるし、応用もできるし、理解も深まります。

 

[茂木]羽生さんを見てごらん。すごく姿勢がいいでしょう。

 みんなはさっきからグニャグニャ動いているけどさ。

 将棋で礼儀作法も身につきますか?

 

[羽生]すごく楽しいとか真剣に考えているとか、集中しているとき、体は静止するようです。

「お願いします」という挨拶に始まり、「ありがとうございました」という挨拶で終わるのも将棋のよいところです。

 

[茂木]さっきから動いている人たち、集中してないのかなぁ。

 

[羽生]子どもは、そのほうが自然です(笑)

 

 

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コラム

将棋の楽しさ 

 

私は小学生の頃、近くの児童館のおじさんに将棋を教えてもらいました。

最初は負けて、負けて、将棋なんか面白くもなかったのですが、

少しずつコマの動かし方を覚えていき、詰将棋にも挑戦して、

徐々に大人にも勝てるようになってきました。

形勢が悪くなると大人がムキになってきて、本気でぶつかってくる。

子供にとって、大人がちゃんと自分と向き合ってくれる、そして

大人を打ち負かす快感に酔いしれていました。

そして、時は過ぎ、学生・就職と将棋から離れていましたが、

自分自身、少し時間的な余裕も出てきましたので、

将棋をもう一度楽しみたいと思うようになりました。

どうせ、やるならキチンと教室なんかを作って、

大会なんかできればなと夢は大きくなっていきました。

そこで、まずは将棋教室の講師の資格を取ろうと。

調べてみると、日本将棋連盟という団体があり、そこで資格が取れるみたい。

四日市支部を訪ね、入会させていただき、支部長の推薦をいただいて

いざ、将棋普及指導員の資格テスト・面接を受けました。

その面接では、プロの方に将棋普及未経験者である私のこれからの夢をお話させていただきました。

すると、プロの方から、若いんだからこれから頑張ってね、と応援してもらいました。

さて、資格もゲットして、教室をどうしようか、と考えていたところ、

家業が料理旅館であったため、平日のヒマな時間帯なら和室を無料で開放できるなと。

ホームページも作って、少しずつクラブの存在が広まっていき、幼稚園から大学生を始め、

社会人の生徒さんや教えたいボランティアの方も増えていき、今に至ります。

さて、子どもたちに教えていく中で最初にお話することが3つあります。

 

・礼儀作法  「よろしくお願いします」で始めて「ありがとうございました」で終わる

・他の人の迷惑にならないように  小学校低学年の子は走り回ります

・感想戦をしよう  ふりかえることで成長できます

 

将棋クラブを開いてみて気づいたのは、子供の心にどんな声をかけるかがホント難しいってこと。

いつも走り回っていた小学校3年生の女の子が真剣勝負を私とする昇級テストのとき。

いつも笑顔の女の子が私に8枚落ちで負けてしまって、シクシク泣き出してしまったのです。

「いや、ここのところはスゴイ良かったよ、うん」

などと声をかけても全く聞こえていないようで、テストが終わったあとも放心状態。

テストの際は、私も本気を出して、真剣に対戦するように心がけていたところ、

思わぬ状況にアタフタとしてしまいました。

うーん、どう対応したら良かったのだろうと悩んでしまって、支部長の先輩に相談したところ、

「色んな子がいるけど、その時、成長してるのか、伸び悩んでいるのか、

将棋の楽しさを分かりかけてきたのかどうか、状況に合わせて将棋をするから、

自分が対戦したときでも、わざと負けることもあるよ」とのこと。

つまり、将棋の技術は師を超えてもらうのがもちろん目標だけど、

将棋から得られる心の鍛錬を目的にしなくちゃいけないと気づかされました。

将棋の楽しさ、、、

将棋というゲームの勝ち負けは当然面白いものですが、

(やったー、かったー、とガッツポーズをして大騒ぎするこどもたち)

負けてしまった時が肝心で、そのとき、心をどのように鍛錬していくか。

自分の至らなさを反省し、相手をリスペクトし、自身の成長の糧とする。

人生において、いろいろな壁があろうとも、どのように乗り越えるかと考えられるかどうか。

例えば、受験に失敗した、失恋した、親を亡くした、仕事の失敗などなど。

へこたれて、諦めるか、あるいは、いつか乗り越えてやると思い、巳の生活を見直そうとするのか。

死ぬこと以外はかすり傷。

口で言うのは簡単ですが、なかなか難しい。

相手の心に寄り添う思いやりの心と自分を律する心を未だ私自身が勉強させていただいています。

もう一つ、大局観について。

大局観とは将棋盤の盤上を広く見て、ここは負けてもいいけど、

相手の王様をこうやって捕まえてやろうと、1~10手の読みをするのではなく、

盤上全体の10手先以上、終局まで見通す力のこと。

人生とおんなじで、全部を完璧に勝つことなんて到底ムリ。

一喜一憂することなく、自分のできることをコツコツ積み上げることができる人は強い。

そして、戦術でなく、戦略として、長期の目標を立てることは生活の上でも大切です。

リタイアした時に家族と一緒に富士山に登ろうと思えば、家庭円満だけでなく、

自身の健康を含めた家族全員の健康が重要。

自身のダイエットをもう少し頑張ろうとか、家族との時間をもう少しとろうと行動します。

この商品が売れているうちに次の商品開発をしっかり行おう、

なんてことも仕事のなかであるかもしれません。

人生を大きく捉え、どのような人生にするのか、選択の決定権は自分にあります。

そんなこんなで、私は将棋から多くのことを学ばさせてもらっています。

将棋に少しでも興味を持ってもらい、楽しんでみようと思っていただいたら嬉しいです。

 

小川晃範